tokyo_PT_gakujutsu_vol.32

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Ⅴ-20両下腿切断患者に対して部分免荷装置を用いた床上歩行練習(body wight-supported overground training:BWSOT)小川順也,寄本恵輔,丸山昭彦,前野崇,小林庸子国立精神・神経医療研究センター病院Key Word:切断,下腿義足,BWSOT【はじめに,目的】精神疾患を伴う両下腿切断患者に対して,部分免荷装置を用いた床上歩行練習(body wight-supported overgroundtraining:BWSOT)が有用であった症例について報告する。【対象と方法】30歳代,女性。精神疾患として抑うつ・心気症があり,事故により両下腿挫滅にて両下腿切断術施行。術後二週目より当院にてリハビリテーション目的で理学療法開始。断端長(右:18cm,左18cm),断端周径(右:38.5cm,左:36cm),断端はタコつぼ型,Fish mouth端の骨突出なし,触れても創部痛なし,幻肢痛あり。下腿義足として,ピンアタッチメント付きシリコンライナー,TSB式,サッチ足を使用。理学療法として,義足作成後,歩行訓練開始時よりBWSOT実施した。BWSOTは天井走行式リフトに懸架用ハーネスを組み合わせた物を使用した。部分免荷した状態で荷重訓練及び歩行訓練を行った。免荷率の設定は歩行訓練の際に歩容が最も良好になるように免荷した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究にあたり,包括的同意書及び口頭にて患者・家族の了解を得て,実施した。【結果】歩行訓練開始時に,平行棒内で荷重痛の訴えがあり,荷重困難感であった。荷重訓練・歩行訓練の際にBWSOTを積極的に使用し,徐々に片脚荷重が可能になった。BWSOTでの訓練開始後2週目に歩行器歩行が可能となった。さらに,3週目でロフストランド杖歩行,5週目でノルディック杖歩行,8週目には独歩自立レベルとなった。ADL訓練等を継続的に行った結果,訓練開始後4ヶ月目に自宅退院となった。退院時には,連続歩行700m,階段昇降や坂道も歩行可能レベルであった。【考察】BWSOTよりも以前に,脳卒中や脊髄損傷患者に対して部分免荷トレッドミル歩行訓練(Body Weight Supported TreadmillTraining:BWSTT)が既に行われている。脳卒中のガイドライン2009においても「脳卒中患者の歩行を改善するので勧められる(グレードB)」と評価されており,BWSTTの有効性が認められている。通常,義足装着患者の歩行訓練開始時には,平行棒内で立位をとり荷重訓練から実施する。しかし,本症例では精神疾患として抑うつ・心気症があり,患者自信の訴えとして「痛みがあっても義足で歩けるでしょうか」との発言も見られた。痛みに対してかなりの不安感を持っている印象であった。そのため,義足歩行や断端の荷重痛に対しての恐怖心・不安を取り除く目的でBWSOTを導入し歩行訓練を行った。BWSOTを積極的に利用したことにより断端の荷重痛をコントロールすることが可能になり,結果として早期に義足歩行が獲得となった。BWSOTは義足歩行患者の歩行獲得に有効な手段であると考える。Ⅴ-21Functional Balance Scaleを用いた歩行自立の判定澤本陽平,炭谷彩夏,川上優紀子河北医療財団河北リハビリテーション病院Key Word:バランス能力,歩行自立度,FBS【はじめに】歩行は日常生活でもっともよく使われる移動手段であり,入院中から歩行の自立の獲得を目指して介入するケースは多い。しかし,入院患者の歩行の介助量の判別手法の多くは,セラピスト個人の経験や勘に基づいた観察評価や心理的な解釈によるものが多く,客観的な指標に基づいた判定が行われていないように思われる。特に,歩行見守りと自立の判別においてはそれが顕著に表れているように思われる。Functional Balance Scale(以下FBS)は,Bergらによって開発されたADLに関連する14項目の課題に対する反応を,各4点(満点56点)で評価するものである。高得点ほどバランス機能が高く,歩行自立度が高くなると言われている。そのため,入院患者の歩行介助量判断の客観的な指標としてFBSを用いることが有用であると考えた。しかし,歩行見守りと自立を判別する具体的な数値を表している文献は少なく,各個人において判別基準に差が生じているように感じた。そこで今回,FBSに着目し,同一患者において病棟内で一本杖歩行見守りの時期(以下見守り群)と一本杖歩行修正自立の時期(以下自立群)でのFBSの点数におけるカットオフ値を算出することとした。【目的】自立群と見守り群でのFBSの点数におけるカットオフ値を算出すること。【対象と方法】当病院で入院されていた方20名(男性4名,女性16名)とし,平均年齢は80.2±6.6歳であった。対象基準は,施設内での移動が一本杖歩行自立にて可能な者とし,重篤な疾患による機能障害を患った者,および高度な認知症により検査施行が困難な者は対象から除外した。Bergらの方法に基づいて作成した検査用紙を用いて施行し0から4の5段階で評価した。また,対象者の歩行自立時と歩行見守り時のFBSの合計点数を集計し比較した。二群間のカットオフ値の算出は,ステップワイズ判別分析を使用し統計処理を行った。【倫理的配慮,説明と同意】本研究の対象者は,事前に研究の主旨と測定方法の説明を行い,同意が得られた者である。【結果】FBSの成績から平均値を比較した結果,見守り群43.3±3.7,自立群50.2±3.6となり,2群間のバランス能力の違いが明らかになった。また,統計処理より各群の判別関数を算出した。その結果,見守り群と自立群の判別値は,46/47点で判別した場合が最も高い値(正判別率82.50%)を示した。【考察】結果より,FBSの成績が56点満点中47点を一本杖歩行修正自立のカットオフ値とする指標を算出する事が出来た。歩行が自立する為には,最低でもおよそカットオフ値周辺の身体機能を備えている事が必要と考えられる。これまで,病棟内移動の基準値はスタッフの主観によるところが多かった。この基準値により,リハビリに携わるスタッフ間での歩行自立に関する客観的な指標が求められたと考える。第32回東京都理学療法学術大会-41-2013.6.23.吉祥寺東急イン及び武蔵野公会堂